『もう我慢できない』


kosaten magazine 40

『もう我慢できない』

僕の頭の中は、
視力矯正の不具合による苦しみと、
食べることで満たされている。

視力矯正の不具合について語るのは辛い。
だから今日は食べることについて語りたいと思う。

以前お話ししたように、
僕は冷凍の春巻きを具材だけ取り出してトースターでコンガリ焼いて食べるのが好きだ。

バリボリバリボリ、
バリボリバリ。

オカズにローソンセレクトの煮込みハンバーグ。
一度に全ては食べれないので、
何食にも分けて食べることにしている。
賞味期限は余り気にしない。
そして、
とても美味しい。

バリボリに焼いた春巻きとの相性は抜群で、
そこに必殺の千切りキャベツIn生卵を合わせて食べれば…

僕はこんな食生活がやめられないでいる。

デミグラスソースが掛ったハンバーグが美味しくないわけがなく、
コンガリ焼いた小麦のかたまりが美味しくないわけがなく、
生卵に溶けこました千切りキャベツが美味しくないわけがなく、

健康的で、
新鮮な食事に憧れていながら、
世界中にある色んなものが食べたいという気持ちがありながら、

殆ど毎日同じようなものばかり、
実家のリビングという狭い空間で、
代わり映えしない景色の中で、
僕はこんな食生活がやめられないでいる。

これも視力矯正の不具合のせいだと叫びたいし、論理的に証明したいが、
同時に、
「こんな食生活」と呼んでしまっているこの食事の楽しさや美味しさや魅力を、
人々に伝えたいという思いもある。

バリボリバリボリ、
バリボリバリボリ。

ローソンセレクトの煮込みハンバーグは、
セブンイレブンやファミリーマートの同価格帯のハンバーグに比べると個人的には程よくジューシーで美味しいと思うのだが、
バリボリの春巻きをデミグラスソースに付けながら食べる僕にとって、
デミグラスソースの量が少ないのが少し困ってしまう。

だから次食べるときは別売りのビーフハヤシも使ってデミグラスソースが少なくなってきたローソンセレクトの煮込みハンバーグを合わせて食べようかと思う。

とても贅沢な食事だ。

たまらない…。

本当に健康的ではないのだろうか。

本当の本当は、
ワンピースに出てくるコックのサンジのような料理人に憧れるが、
今は視力矯正の不具合ゆえに、
出来合いのものを組み合わせてプチ料理を楽しむとする。

ビュッフェ好きの僕にとっては、
出来合いのものを組み合わせながら、
台所とカウンターテーブルを行き来しながら、トースターで春巻きなど揚げもの料理がコンガリ焼き上がるのを待ち遠しく待ちながら、YouTubeなど動画サイトの動画を視聴しながら、
食事を楽しむ時間は至福の時なのかもしれない。

でも、

クリエィティブと言えるだろうか。

僕は健康でクリエィティブな生活を送りたい。

世の中に、
生きた証を残したい。

僕には何かが欠けている。

志や問題意識を共有できるパートナーが欠けている。

社会と対峙していけるような、
政治的なアクションが欠けている。

視力矯正の不具合の改善に協力してくれる専門家が欠けている。

「この人は話を聴くのが上手いなぁ」と、
心の底から思えるような人との出会いが欠けている。

世の中に出ていかなければならない。

世の中に出ていけば、

きっとそれらの欠けているもの全てが手に入る。

そして健康的な食事も手に入る。

未来の僕は、
今の僕を、
今の僕の生活を振り返った時、
心がじんわりとするだろうか。

一人で振り返るだけよりも、
未来のパートナーに、
今のこの僕の惨めな生活を、
笑いながら語りたいものです。
(2020.03.23)