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[:ja]Language Beyond #17 トルーマン・カポーティ 「夜の樹」 2020年11月22日16:30~18:30 Sさん、工藤さん、牛山さんご夫妻、野田さん、吉川 *最近気になっていることなどの共有 *議論 ・日本では「ティファニーで朝食を」のイメージが強いが、カポーティはもっと暗く、狂気に満ちた作品を書く作家だ(そこから、「ティファニーで朝食を」の映画版を見たか、本を一冊読んだか、などの話になった)。 ・けったいな話だと思った。シーンの意図など、どうしてこういう展開になるのか、理解の難しい部分があった。(牛山さん) ・カポーティの作品では「遠い声 遠い部屋」、この本なら「無頭の鷹」がおすすめ。カポーティは、どうしてこの作品を書かざるを得なかったかなどが、自分のことのようにわかる稀有な作家である(その他は、ハクスリーや、テネシー・ウィリアムズ)。(Sさん) ・そういう作家はあまりいないので、面白い。ふだんロシア文学を読み慣れているので、アメリカ文学は新鮮だった。(工藤さん) ・「夜の樹」だけを読むと、盲目の人や背の低い人のあつかいという意味で、難しさがあるかもしれないが、他の作品も読むと、まだ必然性がわかったりする。(野田さん。話し合いの結果、野田さんが読まれたのは1970年版で、最新の新潮文庫版にはない、現代では差別用語とされている単語が使用されていることが分かった)。 ・カポーティは、囲いの外側や、危なっかしい人に惹かれた人だった。差別的な用語がたとえ使われていたとしても、どちらかといえば彼らの側に立つように、その囲いの外側にある豊かさを主張した人だったと思う。(Sさん) ・それが、地面のぬるぬるするようなきみのわるさでもあるが、もっと読んでみたいという気にさせられたきみのわるさだった(牛山さんの妻さん)。 ・この物語は、ポリティカル・コレクトな人がその世界の外側に出会う話として読めるような気がする。(吉川)[:]

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