西荻Book Club#3 2016.6.5.sun

西荻Book Club#3 2016.6.5.sun

14:00-17:00

A regular book club meeting reaching across Japanese and English (and more languages too!) The third session in our series will be a bilingual reading of Natsume Soseki’s “Sanshiro”. 多言語を活かす、定期的に集まる読書会がはじまります!第三回は夏目漱石の「三四郎」を英語と日本語で読んでみます。

本の和文:

http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/794_14946.html

soseki

私の漱石、私の三四郎

夏目漱石は様々な顔を持っています。吾輩は猫であるから明暗まで多くの人が愛する小説を著しました。山に例えるならば富士山ともいえる国民作家です。硝子戸の中に代表される随筆も小説に劣らず人気があります。英文学者としてシェークスピアを語り、評論家として私の個人主義、現代日本の開花など多くの発言をしています。朝日新聞の小説記者であったことも忘れてはならないでしょう。

没後100年、漱石があらためて注目されています。

政治学者の姜尚中は、「漱石は日本で最初に近代日本の“憑きもの”が落ちた知識人だと思う」と語ります(毎日新聞2016年4月6日)。

漱石が生きた明治、は急速な近代化、西欧化が進展した時代でした。集団のために生きる封建時代から個人の幸福を追求する時代へ、生きる意味を問い続けたともいえます。

日本で最初の青春小説ともいえる三四郎を日本語と英語で読んでみたいと思います。

劇作家の平田オリザさんは、「吾輩は猫である 坊っちゃんの明るさと、それから以降に徐々に色濃くなる影。その間に書かれた三四郎には両方の要素が備わっている」と述べています(朝日新聞2015年3月27日)。

三四郎を輪読することで、今を生きる意味を少しでも考えることができたらと思います。