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[:ja]作:カンダタ[:]

[:ja]作、カンダタ 心の尺度は その時によって恥ずかしいほど変わります。 その日の始まりは優しい光りに満ちていました。 今日はいきょんとデート、デートと言っても僕といきょんは十年くらい友情で結ばれている仲、彼女のことはよく知っている。辛いこともいっぱいある、かなり問題がある困ったちゃんだけどほっとけない、今日はそんないきょんを誘ってたまには吉祥寺井の頭公園でぶらぶら散歩して美味いものでも食おうぜ、の誘いで始まった一日のことです。 約束は12時、一時間前に僕は発車前の電車に乗った。 停車中の電車で騒がしくバタバタ走り鬼ごっこをする子供、 おいおいそんなに走り回って転んで怪我するなよ、 停車中の車内は昼の陽射しが車窓から差し込み気持ちいい、いきょん痩せちゃったから今日は美味い店連れていこう、 ここで気付いた、今日はいつもと違うなんだか優しい気持ちになっている自分がいる、 電車の車内には倖田來未のポスター、普段好きでも嫌いでもない彼女の写真を見て、 意外と愛嬌ある顔しているんだな、 かわいいじゃん……なんか今日の俺、優しい! 皆がこんな気持ちなら世界中に争いなんて起きないのに、 おいらの優しい気持ち皆に届けたい、 いつしか電車も動き出し吉祥寺駅に着いたのは約束の十五分前。まだ流石にいきょんは来ていない。 今日はどんなコースたどるかな、池でボート乗って古着屋みて名物の焼鳥いせや食べて… そうこうしているうちに12時、 後発の電車が停まり人々が押し寄せてくる、満面のスマイルで迎えてあげるつもりだ ……12時15分、なんだ遅刻か、しょうがないな電話かけてみるか、繋がらない、電車乗っていて出れないのかな?よし来たら (遅いぞ、ぷんぷん)と拗ねた真似でふざけて笑わしてやろう ……12時30分、おいおい随分遅いなぁメール位くれてもいいのにな喫茶店で待つこともできないしな ……1時。携帯に連続して連絡入れるが繋がらない …1時15分やっと繋がる (す〜ごめん目覚まし時計止めてねちゃっていたの〜) ヒクヒク顔面が引き攣る俺 (でもね〜今から出掛けたら2時にはつくから、ごめんね〜) はよ、こいや、 駅前を小学生が鬼ごっこして走り回っている (バタバタ走り回ってうるせぇな) ……2時まだこない ……2時15分 ………ブツブツブツブツ ……2時30分駅前をパチンコの宣伝カーが通り大音響で倖田來未の曲が流れる (うっせ!うっせ!うっせーよっっ!!) ……3時。呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪 ……3時15分いきょんあらわれ(す〜ごめん二度寝しちゃった〜) 飛び掛かりいきょんの首を絞める俺、 まちゆく人が振り向く………心の尺度はその時で恥ずかしいほど変わるものです………… 、[:]

[:ja]【色彩の葬儀:パラレルワールド】   作:カンダタ   「お客さん、お客さんどちらまで?お客さんあきまへん、夢の中まで寝てしまっては、起きてくださいな」   「安岡さん?安岡さん起きてください、安岡さん、先日の案件の報告です」   「ああ、ああ、寝ていたか、すまない、机の上においておいてください、手があいたらみておきます、」   OLたちは安岡さんは相変わらずたそがれてるよね とはなしている   安岡康二、四十八才、この男は生きていない、生きながら死んでいるようである 携帯が鳴る プルルルルル   「え?今日、俺、約束してたっけ?じゃあ、でかけるよ」   会社を出た康二はタクシーをつかまえる 「吉祥寺まで」   「お客さん、うちのタクシー会社でダンボールでもらったファンタオレンジいらないですか?昔はよく販売機でありましたな、、懐かしいでっしゃろ?」   「悪い、疲れてるんだ、無駄口はききたくない」   「お客さん吉祥寺はロンロンの前でよろしいか、お客さん、お忘れものなくね、特に大切なものは知らないうちに忘れてしまうものですよ」   「さっきの運転手、なんだか妙だな、どっかであったような、そうか、どこか、死んだ親父に似てんだ、親父とは気が合わなかった」   康二は携帯のニュースに目をやる 【携帯ニュース:訃報:黄色死去】   「キイロ?なんだ?芸能人?作家?著名人か?」   「あなた、変わったわね、大学時代、夢があるアルバイトと夢がない正社員どちらがいい?、そんな話をきかせてくれたわね、もう会うのも最後ね」 康二は疲れた顔で家に帰ると、背広をソファーにかけてテレビのスイッチをつけた。バラエティーをみても康二は何も無表情。笑い方を忘れてしまったようだ。テレビの画面の上にニュース速報が入る   ピンポンパンポン 【速報:水色、緑色、遺去されました】   康二はハテナ?と小首をかしげる   康二は釈然としない顔で独り呟いて、またテレビをみた   ピンポンパンポン【速報:赤色が遺去】   康二は 「???」   「なんでテレビはモノクロ映画ばかりやってんだ?チャップリン?」   次々 速報が入る ………………………   康二は真っ暗やみの中にいた。   「いつから、いつから俺はこうなっちまったんだ、昔はなんでもできた、未来は無限に広がっていた。あの路地裏を曲がったら異世界があるんじゃないかと思っていたのに、今は毎日、同じことの繰り返し、変わったことはしたくない、色んな色が失われたようだ」   (………康二、色んな色彩があった頃を思い出してみな、一番色彩があった頃、あの幸せだった頃)   「啓太やおばあちゃん、お父さん、カブトムシ、ファンタオレンジ」   【1981年8月18日】 「康二!康二!起きなさい、啓太くんから電話だよ」 「……ん?啓太くん?おはよう」   「やっちゃん、やっちゃんのおばさんにかわってもらったけど、昨日の夕方お寺の樹に蜜を塗ってカブトムシ取りに行く約束、やっちゃんこなかったね、カブトムシいなくてスズメバチに追っかけられて、朝四時のお寺、幽霊、ヒトダマ、出て恐かったんだぞ、お前約束守れよな」   「ええ!?ヒトダマ!嘘だろ!?幽霊っているのかよ!うしろの百太郎みたいだああ、啓太ごめん、夕方の啓太軍団の集まりには行けるからさ、こんど交通事故現場に心霊写真撮りにいこうぜ」   「おやつ300円とファンタオレンジとコロコロコミックとコミックボンボンみんなで集めたからな」   「うん、じゃあ昼の3時に三角くんちであつまるのな、おやつはコアラのマーチを買っていくよ」   「グリコ、森永事件の毒入ってるかもよ、ところでおまえ、ホワイトコーラって飲んだことあるか?」   「げぇ、あれ不味いぜ、サスケコーラのほうがうまいよ」 「康二いつまで電話してんだい、おばあちゃんがカワセでマグロの刺身買ってきてくれたよ」   「かわいい、かわいい康二お前が好きなマグロの刺身買ってきたよ、炊きたてご飯でみなでたべよう、」   「おばあちゃんきょうきょう土曜日だから日本昔話やるよ、泊まっていって、おかあさん三角くんちいってくるね、」   「啓太、みんな、商店街のコーラやビールの空きビン酒屋に持っていって、小銭貰ってヨッチャンイカ買おう、」 「ところでお前、ドリフなんて観てないだろ?タケチャンマンだろ、ひょうきん族だろ、ドリフみるやつバカな、ガンプラ、グフ持ってるぜ」   「おい三角、お前ドリフとひょうきんどっちみてる?ひょうきん?エライ!ひょうきんのほうが新しいよ」 「三角くんちこどもの城な、マーチン軍団むかつくよ、」   「マーチンこのまえう〇こもらしてたぜ、佐久間必死にかばっていたけどな」 「なあ、いま何時だよ」 「もう夕方だから帰るよ」 「あ、お父さんお帰りなさい」   「康二、夏休みに行く伊藤のハトヤホテルの準備してるか?おばあちゃんもう帰るってよ」 「おばあちゃん帰らないで、草履を隠しちゃう」   「おやおや、でも帰らないとね」   「お父さんおばあちゃん帰ったら嫌だ」   「まあ、いいじゃないですか泊まっていってくださいよ」   「あ、ドリフが始まった」 【ゾンビがクルリと輪をかいた、志村!うしろー!】 「わははははは!わははははは!お腹が痛いよ!」   「康二、お前は心が健康にと俺がつけた名前だ、お前は未来がある、お前は何でもできる」   「おやすみ、お父さん、お母さん、おばあちゃん」   康二の顔は泣き濡れた寝顔だった   …………zzz 「運転手さんどこ走ってるんですか?運転手さん?あれ?運転手さんマネキン人形じゃないか?このタクシー自動運転?」 「あれ?あれは虹じゃないか?アハハハアハハハみんな生きていてくれたの?みんな帰ってきてくれたの!?アハハハアハハハ」   康二は夢をみていたようである   会社に出勤する康二。「あれ?安岡さん手に持っているのファンタオレンジじゃないですか?まだ売っているの?なんだかジュース持ってるなんて安岡さん、ギャップあるなあ」 「あ、ああ、いつもとちがう道を寄り道したら駄菓子屋があって、まだファンタ売っていたんだ、なあ、こんど飲み会誘ってくれよ、いい飲み屋探してんだ、ムードがいい店、誘いたい人がいるんだ、」 END[:]

[:ja]カンダタ 映画感想文【監督失格】 平野監督は感のよいひとだ新聞受けに鼻孔をちかづけた こんにちは DVD映画のレビューというかこういう映画を観たと紹介をしようと思います 監督失格 これはドキュメンタリー映画です 僕は失恋してから愛する人を失った映画ばかりみていた ネタバレする内容なのでこの映画を楽しみにしている人は先の文章は気を付けてでもネタバレからこの映画に興味を持ってくれる方もいるかと思い筆をとりました 平野勝之46歳 職業AV監督 平野は満身創痍の中自転車を担ぐ場面からこの映画は始まります 遡り 1996年 平野はAV監督としてのデビューで ひとりのAV女優に出会う 林由美香 まだ十代 売れっ子AV女優 平野は監督としては新米嘗められていた 相手にもされなかった 悔しかった 平野は由美香に恋をしていた 平野は由美香を見返す為にAV業界で 頑張った 由美香は男と付き合っても4ヶ月続かない女だった 平野は結婚して妻がいる身分だった AVの世界は自由闊達 何度か仕事をしている内に不倫の関係になった 由美香は細やかな平和な家庭に憧れていた 平野は東京から自転車で北海道に一人旅に行く予定だった由美香が興味を示した 嬉しかった 平野は由美香ママに挨拶する ママは由美香の仕事を理解していた 男勝りのおじさんかと見紛うようなラーメンチェーン店女社長由美香ママ 由美香は長いこと両親の離婚の時にママから捨てられたと誤解していた 孤独さの陰がする由美香 ママは由美香を大切に思っていた 二人の北海道の旅は本邦初AVロードムービーとして映像に記録することになった 愛の記録 ふたりの珍道中 旅での人との出会い ママへの泣き言の電話 泣き虫由美香 ウイスキーで酔っぱらってテントで寝ぼけてトイレを済ませる由美香 沢山の由美香の映像 でも 肝心の場面が撮れていない ふたりの喧嘩 何でも記録する平野監督でも由美香との喧嘩の場面を映像に記録する余裕はなかった 由美香は平野に言う (監督失格だね) このロードムービーは好評で平野の代表作になる AVの世界は大人の世界自由闊達 それぞれ大人の事情で 由美香と平野は別れ由美香はまた別の恋をする でも由美香が失恋で愚痴を言いたくなると 平野はいつでも深夜でも聞いてあげてた 由美香はいつも電話の最後に(ありがとうね)と 平野とAV業界の面面の飲み会由美香は過去の恋人カンパニー松尾と皆で酒を飲む映像 由美香は酒癖が昔より悪くなっていた 何か陰を持つ由美香 平野は 由美香のロードムービーのキャリアを超えようともがいていた また違う女優と北海道に映像を撮りに行ったり 一人旅を映像にしたり 由美香とのキャリアを超えようともがいていた 出会った時は十代だった由美香ももう36歳に なっていた 平野は新たに自分のAV監督としての集大成の映像を撮ろうとしていた それには縁の深い由美香に出演してもらわなければならなかった 何でも映像に記録する平野は由美香のマンションに入った時から映像の記録は始まっていた インターホンを鳴らす平野 おかしいな 約束の時間になっても由美香は 出てこない 電話も留守電 おかしいな 公園で待機する平野 あいつ仕事にルーズではない約束を守る女だ 1度だけ悪い男と付き合って監禁されていたことがある 平野は心配そう 平野は再度マンションに戻り ドアをノックする 平野監督は感のよいひとだ新聞受けに鼻腔をちかづけた 由美香ママに電話する 平野:由美香と連絡が取れないのですがマンションの合鍵持っていませんか? ママがくる 相変わらず男勝りで ママ:平野さん太ったんじゃないの?こちらアシスタントの方?由美香が御世話になってます マンションの鍵をママがあける ドアが開く ここからは玄関にカメラを置いて通路の映像になる ママ:由美香? おーい! え?なんか、おかしいよ! 匂うよ え? ちょっと平野さん 部屋の通路に入るの怖いよ 平野さん先に部屋に入って 平野が部屋の奥に入る 平野:倒れてる! 現場保持!!! 警察呼んで!!警察!! ママ:うわ〜!!!ゆみかー!!なにやってんだよおまえ!! 平野:警察ですか? 実は… ママ:もしもし!いま由美香が由美香が!うわ〜ん! ゆみかー!! ゆみかー!! お前だめだよもうこんな匂いしてるんだもん うわ〜ん!!なにやってんだよおまえ 平野:警察早くして! ママ:警察早くしろよ! 警察、救急隊で騒然となるマンション 平野は仲間に緊急連絡 カンパニー松尾が駆け付けて映像に撮ろうとするが泣き出して撮れない 平野は一部始終を映像に記録する カンパニー松尾は泣きながら (由美香が死にました) 新聞記事にはAV女優の突然の死の見出しが載った死因はアルコールと睡眠薬による事故死 告別式 沢山の弔問 AVの世界は自由闊達由美香の出棺は歴代の恋人達が担ぐ 細やかな平和な家庭に憧れていた由美香 由美香の遺影は笑っていた 平野は大変な顛末でも不思議と涙がでなかった 由美香ママはやり場のない悲しみで 由美香の死は平野さんが関係しているのではないかと疑念があった 何故、彼処でカメラがあったのか何故カメラを回し続けることが出来たのか この映像はママ、平野、事務所三者の協議で封印されることになった 5年後 平野はママの元に訪れる すっかり老け込んだママ 平野は5年間映像が撮れなくなっていた ママ:あんたももう歳じゃないの?ははは 平野:僕はあの時何で映像が撮れたか 由美香にはいつも言われてた【監督失格だね】と 由美香本人から撮れと言われている気がしてならなかった ママ:由美香が?なんかあんたの顔には由美香が張り付いているようだね 平野はママの相談事に乗ってあげるようになっていた 電話の最後はママはいつも (ありがとうね) 由美香と同じことを言った 【あの映像使ってもいいよ】 2010年 平野はぎっくり腰の激痛の中呻いていた 編集で由美香の膨大な映像をみて (怖い…………)…

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[:ja]オマージュ桜の森の満開の下 作:カンダタ 桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子を食べて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。なぜ嘘かと申しますと、桜の下へ人がより集まって酔っ払ってゲロを吐いて喧嘩して、これは江戸時代からの話で、大昔は桜の花の下は怖しいと思っても、絶景だなどとは誰も思いませんでした。近頃は桜の花の下といえば人間がより集って酒をのんで喧嘩していますから陽気でにぎやかだと思いこんでいますが、桜の花の下から人間を取り去ると怖しい景色になりますので、能にも、さる母親が愛児をを人さらいにさらわれて子供を探して発狂して桜の花の満開の林の下へ来かかり、見渡す花びらの陰に子供の幻を描いて狂い死して花びらに埋まってしまう(このところ小生の蛇足)と いう話もあり、桜の林の花の下に人の姿がなければ怖しいばかりです。 「坂口安吾・桜の森の満開の下より」 多吉は親の顔を知らない 多吉は学問を知らない 多吉は眠りを知らない 多吉は女を知らない ただピッキングのやり方は知っていた 都市周辺郊外に建てられた高級マンションの一室の扉を電子ピッキングした 何故その部屋に目星をつけたかは子供の頃から薄気味悪いと毛嫌いしていた桜の木の影になる部屋だったから もう十年そうやって盗んだ金で凌いでいる 「こ、こ、今晩は金持ちの部屋か、つ、ついている」 部屋に入ると骨董価値ありそうなアンティークな家具 大型プロジェクターTV最新家電 膨大な量のクラシックのレコード 昆虫の蛾の標本が飾ってあった 「お、男の部屋か?女か?のっぺらぼうみてえな部屋だな、気味が悪い、寒気がする」 多吉は金目な物を物色しようとしてはたと気が付いた アンティークの家具の横に一体の球体関節人形が置いてあった 「き、綺麗だ今晩は此れを持って帰るとしよう」 球体関節人形は最初に震えそれから音声が流れた 球体関節人形は近頃独身男性向けに発売された セクサロイドだった 「お、お前喋れるのか、な、名前はあるのか?」 「ワタしハヒビヒビ アア、イやダ、オブッテオクレよ」 桜の森の満開の下、人形を 抱えた大きな影が夜の帳に消えて行った 多吉は嫌いだった桜が好きになった 「さ、桜は、つ、ついている」 其れから幾晩か過ぎた 「アア、イヤダ、ワタシハオマエニヌスマレタカラ不自由な生活をシテイル」 「お、お前が欲しがる物はなんでも盗んできてやったじゃねぇか」 「オマエハ、無学で田舎者ダカラ都会の女ノ暮らしガ分かカラナイ わタシはBABy,のべべが欲しい」 「わ、わかった今晩お前もこい望む洋服を盗んで来てやる」 桜の森の満開の下の夜 何軒かピッキングで入った部屋は女の部屋だった 「お、お前の望む洋服はこれか?」 「コンナべべデハナイ、お前はナサケナイな」 ピッキングで不手際をしたことのない多吉だったが 人形を連れてきたことで 隙があった部屋の住人の女が帰って来たのを気が付かなかった 「ひいい!泥棒!!!」 「ひ、ひびひびまずい」 「その女のべべが欲シイ」 「ひ、ひびひび逃げるぞ」 「ソノ女殺シナ」 「お、俺は殺しはしない!」 「後生だから助けて!」 「イイカラ殺しナ」 ……………………………………………………………………………… 桜の森の満開の下に人形をおぶった影があった 多吉は人形が恐ろしくなった おぶった人形を投げ出したくなったが 人形が自分で自分が人形になったように混合していた おぶった人形が重くなった気がした 人形はひびひびではなかった 人形は鬼だった 多吉は鬼を振り払い鬼の首を絞めた汗が流れた そして気がつくと横たわっていたのは 桜の花びらに埋もれたひびひびの残骸だった 多吉は産まれて初めて泣いた 多吉はひびひびの顔の上の花びらをとってやろうとすると多吉の手の下には降り積もった花びらばかりで人形の姿は掻き消えてただ幾つかの花びらになっていた そしてその花びらを掻き分けようとした多吉の手も多吉の身体も伸ばした時にはもはや消えていた。 あとには花びらと、冷たい虚空がはりつめているばかりだった。[:]

[:ja]【善人病】 遠い遠い未来のむかし話です となりのとなりの国である男が市場で食事をしているとしゃっくりを一回しました。はておかしいなあと、思い、また気のせいかなあと思い食事を終えて家に帰ると、その晩から三日三晩寝込んでしまいました。その男はお金持ちだったので、町一番のお医者様が来て、考えあぐねて、その男の書斎にある、環境保護の書籍をチラリとみて、その男の書き置き、(地球は今、病気だ、私がなんとかしなければ)をみて、たぶん知恵熱、【善人病】と命名しました。それから数日、今度はそのお医者が、ある疑念にとらわれました。私はもしかしたら町一番の先生と呼ばれてその名声にあぐらをかいていたのでは?私は、もしかしたら救える命を殺してしまったのでは ?石川五右衛門の生まれ変わり、またの名をアルセーヌルパンとは私のことでは?キリストをユダが裏切ったのはもしかしたら私のせいでは?かわいそうなユダ。私は罪人です。地球は今病気なんです、とメソメソと泣き出し寝込んでしまいました。町一番の先生が寝込んでしまったので、暫定1位の先生が先生をみ にきましたが、暫定1位の先生は競合他社のライバル先生、これ幸い、千載一遇のチャンスと思ったのですがヤクセキコウナク、ヤマイコウコウニイル。やはり後味が悪い結末になり、暫定1位の先生は酒場で飲んでいたのがいけない、酒場の有線放送で(一人酒場で飲む酒は)の唄に涙がポロリ、またポロリ、酒場の一同のお客様ももらい泣き 一同、すべての人々は罪人であります。地球は今病気ですと集団泣きながら大合唱。セリヌンテウス僕を殴ってくれ、いや僕も殴ってくれ、ああ、もっと殴って殴って、嗚呼もっと、ケチケチするなよ、頼むマスターもう一杯。 みなフリーハグ活動をするようになり一日一膳二膳は当たり前。やればできんだ君だって。しかしフリーハグをすればするほど。この善人病は増えていきました。ある家では突然、老人の家に電話がかかってきて(もしもし、あー俺、俺、宝くじがあたったんだ口座に振り込ませてほしい)ある家では、説教強盗がピッキングをして入り込み、あろうことか、掃除洗濯をしてこれを少ないけど世界中の恵まれない子供たちに分け与えてくれ、理由は三つある、一つは私だけの十字架。もう一つは地球は今病気です。最後は今はまだ言うときではないだが時が来たらいう、 ところ変わって。ある島国。テレビでは変わった出来事が起こっているなあと寝転んでいた三年寝太郎田は母さん今日の晩飯何?ときくと。お前が好きなカレーだよチキンに辛口、ジャガイモ、ニンジン、なんていったって地球は今病気なんだから。でもその前にフリーハグをしにいってからね、太郎はハテナ?と小首を傾げて一回しゃっくりをしました。ニュース速報が入りニュースキャスターは善人病です。パンデミック今すぐ慈善活動をしてください。普及率とは昔から50%を超えると爆発的に増えます。カラーテレビしかり全自動洗濯機しかり。最初は私も怖かった、でも善人病に侵されて行くのは快感です。そこのあなた、まだ善人病でないの?時代に取り残されていきますよ!我が国とはもともとそういう気質じゃあないですか!?地球は今病気なんですよ。テレビでは世界各国の敵対する首脳が民族が泣きながらハグをして核兵器廃絶。各国では平和を祝うパレードがひらかれるようになりました。 となりのとなりの国である男が市場で食事をしていると しゃっくりをしました。 はておかしいなあと、小首を傾げて 家に帰ると三日三晩寝込んでしまいました 町一番の先生がみにいき 先生は考えあぐねて男の書斎においてあるのは 平和になった地球ではもうみたことがない本で 考古学の学者に解析をさせると 本のタイトルは 【我が闘争】という言葉が書いてありました 終[:]

[:ja]【鳥】 ある陽射しばかり強く少しも暖かくない午後、二人の作業員が缶珈琲を飲みながら作業の打ち合わせをしている 「この樹を伐ってしまえばよいのだろ」 「でももう十年鳥の巣にくっついた太った鳥が居座ってる」 僕は鳥だ、もう幸栄住宅の202号室のカーテンの閉まった、三畳半に二十歳からだからもう20年閉じ籠っている体重は120キロ、年老いた82歳の母と二人暮らし食事、洗濯は母がやってくれる、母はあまり難しい事がわからないようだ、僕は甘いものを食べたくないと、もう何度も訴えてるのが、 「康介、あんみつがあるぞ」 と、窓からみえる鳥の巣は巣立ちに失敗したとり、ほら、図鑑にのってる鳥だ、名前は忘れた、親がどんどん餌を持ってくるから10年間、太って巣に身体が挟まって、老親鳥が餌を運んできて食べさせている、どんな気持ちなんだろうか?僕はともだちがいない。古い漫画を読むか、昔の漫画をよむか、前の漫画をよむか、とにかく二階の窓からみえる風船のように膨らんだ鳥が僕の気持ちを代弁してる 僕は夢をみる 自分が北京ダックになり地上に首だけだして土に埋められてる 無理矢理身動きとれない僕にコックがきて口を金属であけて無理矢理、食事をさせる、苦しい、もう食べたくないとガアガアもがく あと見る夢は 水中にいて地上から酸素が送られてこなくなる夢 袋小路になりファミコンのボンバーマンに爆弾を置かれ潰される夢 ネットで調べた【悪夢障害】というらしい。毎日ハンニバル・ライジングのレクターみたいにうなされる 母は昔のひとで難しいのがわからない 僕は発達障害らしく やたらけむったいニィーチェだかショーペンハウアーを読む 母はあまり機能のついてない昔のブリキの風見鶏。餌を運んでくるしか機能がついてない 僕も鳥だけどただの鳥でなく、精密コンピューターだけど、バグが凄い、僕の超精密コンピューターが完璧にできるのはカップヌードルのお湯をいれてから美味しい食べ頃の【3分】を計るのみ、超精密、超高性能にカップヌードルをつくる、あとは企業でも使えずにコンピューターエンジンが火を噴いて。冷たい氷水を一日20リットルかけて機械を冷やさないといけない 親鳥ロボット 精密スクラップコンピューター トントン、トントン、 「ん?誰だこんな夜中に?」 「すいません、すいません、こんばんは、」 僕は二階の窓をノックするのを不思議に不思議がらない、カフカの不条理みたい 「はい?どなたですか?」 「康介さんわたしです、はじめて、おはなししますね、10年前から、私を見守ってくれてましたね、鳥です、あ、どうか、カーテンはあけないで、僕は10年巣に挟まっていたけど、今晩は、巣立ちをします」 「え?お前か、巣立ち?そんなことできるの?」 「まあ、駄目だと思うけど、老いた母が僕が嫌いな甘い、甘納豆を運んでくるのに油断して、猫に食べられたのです、それと明日の朝に、僕の住んでる樹が伐採されます、僕はばれないように餌を下に餌をこぼして少し痩せて、飛んでみようと、それは私に無理だとわかってるけど、こうやって10年も延命してるのが不自然なんです。ちゃんと鳥として、自然の摂理に従うのが本当なんです。ただ康介さんにはお別れの挨拶をしたかった。康介さんにお会いできてよかったです…………」 【翌朝】 あれ?夢をみていたのか? カーテンをあけてみると樹が伐採されてる 作業員にきいてみる 「すいません、この樹の上に鳥の巣ありませんでした」 「あったけど中味空っぽだったよ」[:]

[:ja]【ある精霊の見る夢】 (おかあさん、おかあさんはとても純粋、でもおかあさんは生まれてくるときにきっと大切な何かをもってくるのを天国に忘れてきちゃったんだね、) 「お金は限界効用の低減の法則が当てはまりません、こんな難解な道理は貴女に通じないのがわかって話してます」 【NHKニルスの不思議な旅最終回(僕だよ!モルテン!!ニルスだよ、僕の話が通じないのかい?) ガアガアガアガアガアガアガア】 「母さん!わかんねぇのかよ!俺はコントロール喪失なんだ、俺は希死念慮ある、アデクションだ、見た目には健常にみえても出来ること、出来ないことの落差が激しすぎる!なんかおかしいなあと違和感で今まで生きてきた。半径3mの世界あとはモザイクかかってる。ドラえもんの未来の住宅みたい、でもドラえもんが帰っちゃったらどうするの?。貴女が生命維持装置みたいだ。俺はもう47歳だ!でも時計が止まってるんだ。なんで言葉が通じないの?悲しい、悲しいよ!お母さん!俺は死んだ親父に殴られて父が俺を殺そうとしたから仲裁を警察に頼んだら、俺が、措置入院にもなった。警察は嫌がらせもした。父が俺を殺そうとしたから助けを呼んだ。近所に聞こえたから通報が何十件、今じゃ近所も挨拶をしてくれない家が我が家。親父に張り倒されたきっかけで水も一日二十リットル飲むようになった。専門機関も聞いたことがない量だと言われてる、テレビに出てる精神科医のトークショーで質疑応答したら心臓やられて死ぬと。私はさっきからアイメッセージで話してる、ダブ ルバインドとスポイルで完全に共依存、いろんな依存、アデクションで自力では無理だ、母子密着でカウンセラーからもめったにいないくらいくっついてると言われてる。幼少からサポートが必要だったんだ、ベトちゃんドクちゃんみたいだ! 俺は子供の頃からずっと孤独だったセルフエスチームが全然つかない緩慢な末期癌患者か死刑囚みたいな観念だ。僕は無謀でも摂理に抗議する!四苦八苦の愛別離苦に抗議する!一蓮托生だ!外部との比較のない世界で内観したから強化されて、そりゃ外部のサポートつけば生活保護やらで生きていけるかもだけど身辺自立を邪魔するじゃないか。知っているよ貴女が専門用語や難しい言葉が通じないってカウンセラーからも理解されないというより、わからないお母様に変わってもらおうは不可能、私が困っているのが貴女には想像できないんだ。 うちは仲の良い理想的な家庭。 そう思っている。僕は外界がわからないから砂漠にいてオアシスだと思っていた。おばあちゃんがいた幸せな子供の時代からうちは時計が止まっているんだ。人間は傷つくと時計が止まるんだ。僕は違和感が何かわからなかった。自分が家庭を壊している害虫なんだと思っていた。ただね、僕は自問自答して自分の究極のことがわかったんだ。僕の、僕の神様。 わからないお母様をいじめているようだよと、わざと難しい言葉をいっているんだ。この歳まで知らなかった 【貴女も何か決定的なハンデがあるんだ】 (おかあさん、おかあさんはとても純粋、でもおかあさんは生まれてくるときにきっと大切な何かをもってくるのを天国に忘れてきちゃったんだね、) もう貴女も八十代、何年も一緒にいられない。 まだサポート受ければ僕は生きていける でもね はっきりいうと僕はこの濁世が大嫌いなんだ!だいっきらいなんだ!だいっっきらいなんだ!!貴女の義理で生存しているんだよ。私は貴女のみている夢で貴女の生滅と共に消えるそう二十七年強化した。スライバーにはならない、サバイバーだ!私は全く自愛ができない。自愛できない人は人に思いやりを求めて、そういう人は誰にも思いやりを貰えないで終わっていく。正確には欲しい優しさしか受信できない。僕は毎晩二十七年睡眠になる前、どう生滅しようか考えて眠っているんだ。 現体験中の時間は常に過去の時間の総和と比較される。これから先の時間はもう落下するエレベーターだ、僕は怖い、人間臆病過ぎると死にたくなっちゃうんだ。 【四十七年前】 乳母車の赤ん坊が笑っている(さっきからくるおんなのひとふたりどちらがママ?) 「おかあさんとおかあさんの姉」 「おかあさん、ようちえんはべんきょうしないといけないところでしょ、いきたくないよ」 「おかあさんすきなお弁当、保母さんがストーブで温めてくれたけど、缶のみかんが温かくきもちわるかったよ」 「棚殿小学校の初日うえだくんと仲良くなったよ」 【おとうさんとおかあさんとおばあちゃんとイトウのハドヤホテルにいきました4年3組ほんだけいたろう】 「おかあさんのパート。駅のアクセサリー屋の鍵っ子で、本屋さんで、裸足のゲンと手塚治虫の火の鳥を読んだ。火の鳥は難しいけど僕は眠る前に。命がいつか終わるということに。お布団でさけびだしたいんだ」 Q、人間はいつか死ぬの?おかあさん、おとうさんは人間なの?おかあさん、おとうさんはいつか死ぬの? 右目を30回ウィンクして 左目を4回ウィンクしたら おかあさんは、おとうさんは永遠に死なないかな? 小学校帰りの下校、前に100歩、30歩戻れば永遠に3人一緒かな 神様をぼくはつくったよ 「おかあさま圭太郎君のことで相談が、彼は小学生低学年の読みは出来ても書きができません、算数の倍数もできません。通知表に書いたとおり、近々面談をしましょう」 「え、え、え?!圭太郎のおかあさん父兄参観でみたけど女優さんみたい。圭太郎はシャツだして汚いのに」 「おかあさま圭太郎君は高学年になっても女子生徒に抱きつきやスカートめくりがとまりません、児童精神科につれていってあげてください」 「英会話塾のみんな、最初に自己紹介ね、自分の身長を言ってね、え?圭太郎くん自分の身長わからないの?でもあなたは180センチも身長ないよ?え?わからない?」 「圭太郎!なんでお前日本地図で東京がわからない?!」 【仲村トオル、清水宏次朗主演、ビーバップハイスクール大ヒット上映中】 「お前何、睨んでんだよ!ガンたれてんじゃねぇよ、裏来いよしめてやるからさ」 「おい、圭太郎、お前、学校こないのか?ゲームやっているのか?お前行ける高校はっきりいうとないぞ、お前将来大変なことになるよ、わかってんのか?」 先生、先生、たくさんの先生、恩師、みな三十年以上ご無沙汰してます、幼少の頃の僕は言葉をもってなかったけど、たぶんこう思ってきいてました 先生、僕が将来大変なことになるのは知ってました。でも僕は心の中でこう答えてました 【先生、知ってます、でも抗えないのです】 「はい、今晩お送りしている【知っているつもり】はアドルフ・ヒトラーです、アドルフの母を看取ったベテランドクターが五十年医師をやっているが、こんなに母親の喪失を落胆した息子はみたことがないと述懐していたエピソードでした。それではCMです」 「お兄さんさ、まだ若いんでしょ、理髪店の私がいうのもなんだけど、もっと流行りの髪型にした方がよいのじゃないの?お兄さん仕事は何をしてるの?今日は休み?」 「お前、コーラのケース数える仕事30分かかって、また間違えて、なんで来たばかりの社会科見学の中学生に仕事手伝ってもらってんだ、何年やってんだ?」 「スキルス性の癌でステージ4です、お父様の余命はあと一年です」 「お母さん長い間ありがとう、僕は長年自分の中の神様と対話をしてきました。神様が貴方は選ばれて時が来たのです、人びとを救いなさい。ドイツの精神分析のエルンスト・クレッチュマーが【天才論】で天才は同輩からバカにされ教師から蔑まれ続け、その百人の天才の屍の上に立ち上がると、道徳とはスープにおける塩であると、さようなら僕は、子供の頃から神様と話していたんだ、全ては複線だったんだ、お母さんのことは親戚の恒忠のお兄さんによろしくおねがいしますと手紙を送った、いままでありがとう」 【都内の講演会場】 群衆の中、壇上で高らかに手をあげる男 「人間が神を認識するとき人間の拡大化したものとしか認識できないように、人間が天才を認識するとき人間の拡大化したものとしか認識できない!」 熱狂する群衆 【十年後】 新宿の冬、一人のホームレスが段ボールハウスの中、息を引き取ろうとしていた 男は黙って虚ろな目をしている 男は新宿の雑踏は聞こえてなかった 聞こえているのは ただ ただ 一人だけの声だった 【ほら、また喧嘩をしてきたな、お母さんが赤チン塗ってやるよ、手をあらったら食事だよ、寒いだろ、早く炬燵にあたりな】 ≪我は裸で母の胎より生まれたまた裸でかしこに帰ろう主が与え主が奪われたのだ主の御名は誉むべきかな:ヨブ記≫ 終[:en]【ある精霊の見る夢】 (おかあさん、おかあさんはとても純粋、でもおかあさんは生まれてくるときにきっと大切な何かをもってくるのを天国に忘れてきちゃったんだね、) 「お金は限界効用の低減の法則が当てはまりません、こんな難解な道理は貴女に通じないのがわかって話してます」 【NHKニルスの不思議な旅最終回(僕だよ!モルテン!!ニルスだよ、僕の話が通じないのかい?) ガアガアガアガアガアガアガア】 「母さん!わかんねぇのかよ!俺はコントロール喪失なんだ、俺は希死念慮ある、アデクションだ、見た目には健常にみえても出来ること、出来ないことの落差が激しすぎる!なんかおかしいなあと違和感で今まで生きてきた。半径3mの世界あとはモザイクかかってる。ドラえもんの未来の住宅みたい、でもドラえもんが帰っちゃったらどうするの?。貴女が生命維持装置みたいだ。俺はもう47歳だ!でも時計が止まってるんだ。なんで言葉が通じないの?悲しい、悲しいよ!お母さん!俺は死んだ親父に殴られて父が俺を殺そうとしたから仲裁を警察に頼んだら、俺が、措置入院にもなった。警察は嫌がらせもした。父が俺を殺そうとしたから助けを呼んだ。近所に聞こえたから通報が何十件、今じゃ近所も挨拶をしてくれない家が我が家。親父に張り倒されたきっかけで水も一日二十リットル飲むようになった。専門機関も聞いたことがない量だと言われてる、テレビに出てる精神科医のトークショーで質疑応答したら心臓やられて死ぬと。私はさっきからアイメッセージで話してる、ダブ ルバインドとスポイルで完全に共依存、いろんな依存、アデクションで自力では無理だ、母子密着でカウンセラーからもめったにいないくらいくっついてると言われてる。幼少からサポートが必要だったんだ、ベトちゃんドクちゃんみたいだ! 俺は子供の頃からずっと孤独だったセルフエスチームが全然つかない緩慢な末期癌患者か死刑囚みたいな観念だ。僕は無謀でも摂理に抗議する!四苦八苦の愛別離苦に抗議する!一蓮托生だ!外部との比較のない世界で内観したから強化されて、そりゃ外部のサポートつけば生活保護やらで生きていけるかもだけど身辺自立を邪魔するじゃないか。知っているよ貴女が専門用語や難しい言葉が通じないってカウンセラーからも理解されないというより、わからないお母様に変わってもらおうは不可能、私が困っているのが貴女には想像できないんだ。 うちは仲の良い理想的な家庭。 そう思っている。僕は外界がわからないから砂漠にいてオアシスだと思っていた。おばあちゃんがいた幸せな子供の時代からうちは時計が止まっているんだ。人間は傷つくと時計が止まるんだ。僕は違和感が何かわからなかった。自分が家庭を壊している害虫なんだと思っていた。ただね、僕は自問自答して自分の究極のことがわかったんだ。僕の、僕の神様。 わからないお母様をいじめているようだよと、わざと難しい言葉をいっているんだ。この歳まで知らなかった 【貴女も何か決定的なハンデがあるんだ】 (おかあさん、おかあさんはとても純粋、でもおかあさんは生まれてくるときにきっと大切な何かをもってくるのを天国に忘れてきちゃったんだね、) もう貴女も八十代、何年も一緒にいられない。 まだサポート受ければ僕は生きていける でもね はっきりいうと僕はこの濁世が大嫌いなんだ!だいっきらいなんだ!だいっっきらいなんだ!!貴女の義理で生存しているんだよ。私は貴女のみている夢で貴女の生滅と共に消えるそう二十七年強化した。スライバーにはならない、サバイバーだ!私は全く自愛ができない。自愛できない人は人に思いやりを求めて、そういう人は誰にも思いやりを貰えないで終わっていく。正確には欲しい優しさしか受信できない。僕は毎晩二十七年睡眠になる前、どう生滅しようか考えて眠っているんだ。 現体験中の時間は常に過去の時間の総和と比較される。これから先の時間はもう落下するエレベーターだ、僕は怖い、人間臆病過ぎると死にたくなっちゃうんだ。 【四十七年前】 乳母車の赤ん坊が笑っている(さっきからくるおんなのひとふたりどちらがママ?) 「おかあさんとおかあさんの姉」 「おかあさん、ようちえんはべんきょうしないといけないところでしょ、いきたくないよ」 「おかあさんすきなお弁当、保母さんがストーブで温めてくれたけど、缶のみかんが温かくきもちわるかったよ」 「棚殿小学校の初日うえだくんと仲良くなったよ」 【おとうさんとおかあさんとおばあちゃんとイトウのハドヤホテルにいきました4年3組ほんだけいたろう】 「おかあさんのパート。駅のアクセサリー屋の鍵っ子で、本屋さんで、裸足のゲンと手塚治虫の火の鳥を読んだ。火の鳥は難しいけど僕は眠る前に。命がいつか終わるということに。お布団でさけびだしたいんだ」 Q、人間はいつか死ぬの?おかあさん、おとうさんは人間なの?おかあさん、おとうさんはいつか死ぬの? 右目を30回ウィンクして 左目を4回ウィンクしたら おかあさんは、おとうさんは永遠に死なないかな? 小学校帰りの下校、前に100歩、30歩戻れば永遠に3人一緒かな 神様をぼくはつくったよ 「おかあさま圭太郎君のことで相談が、彼は小学生低学年の読みは出来ても書きができません、算数の倍数もできません。通知表に書いたとおり、近々面談をしましょう」 「え、え、え?!圭太郎のおかあさん父兄参観でみたけど女優さんみたい。圭太郎はシャツだして汚いのに」 「おかあさま圭太郎君は高学年になっても女子生徒に抱きつきやスカートめくりがとまりません、児童精神科につれていってあげてください」 「英会話塾のみんな、最初に自己紹介ね、自分の身長を言ってね、え?圭太郎くん自分の身長わからないの?でもあなたは180センチも身長ないよ?え?わからない?」 「圭太郎!なんでお前日本地図で東京がわからない?!」 【仲村トオル、清水宏次朗主演、ビーバップハイスクール大ヒット上映中】 「お前何、睨んでんだよ!ガンたれてんじゃねぇよ、裏来いよしめてやるからさ」 「おい、圭太郎、お前、学校こないのか?ゲームやっているのか?お前行ける高校はっきりいうとないぞ、お前将来大変なことになるよ、わかってんのか?」 先生、先生、たくさんの先生、恩師、みな三十年以上ご無沙汰してます、幼少の頃の僕は言葉をもってなかったけど、たぶんこう思ってきいてました 先生、僕が将来大変なことになるのは知ってました。でも僕は心の中でこう答えてました 【先生、知ってます、でも抗えないのです】 「はい、今晩お送りしている【知っているつもり】はアドルフ・ヒトラーです、アドルフの母を看取ったベテランドクターが五十年医師をやっているが、こんなに母親の喪失を落胆した息子はみたことがないと述懐していたエピソードでした。それではCMです」 「お兄さんさ、まだ若いんでしょ、理髪店の私がいうのもなんだけど、もっと流行りの髪型にした方がよいのじゃないの?お兄さん仕事は何をしてるの?今日は休み?」 「お前、コーラのケース数える仕事30分かかって、また間違えて、なんで来たばかりの社会科見学の中学生に仕事手伝ってもらってんだ、何年やってんだ?」 「スキルス性の癌でステージ4です、お父様の余命はあと一年です」 「お母さん長い間ありがとう、僕は長年自分の中の神様と対話をしてきました。神様が貴方は選ばれて時が来たのです、人びとを救いなさい。ドイツの精神分析のエルンスト・クレッチュマーが【天才論】で天才は同輩からバカにされ教師から蔑まれ続け、その百人の天才の屍の上に立ち上がると、道徳とはスープにおける塩であると、さようなら僕は、子供の頃から神様と話していたんだ、全ては複線だったんだ、お母さんのことは親戚の恒忠のお兄さんによろしくおねがいしますと手紙を送った、いままでありがとう」 【都内の講演会場】 群衆の中、壇上で高らかに手をあげる男 「人間が神を認識するとき人間の拡大化したものとしか認識できないように、人間が天才を認識するとき人間の拡大化したものとしか認識できない!」 熱狂する群衆 [:]

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